~沖縄への帰り道~

「未知の領域で研究を進めるにあたって心すべきことは、
自分は「何が一番重要で基本的なこと」と確信できるかを、
徹底的に突き詰めることである!
これは極めて主観的な作業である。
中途半端で安易な主観性はただの主観止まりである。
とことんまでやらなければならない。
「主観」を究めてたどり着いた結論は、極めて「客観的」であり、ものごとの本質を突いているものである。 」
井上研三 著「素粒子物理学」あとがきより

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クォーク・グルーオン・プラズマの物理 ―実験室で再現する宇宙の始まり―

この本は、もともと専攻していた分野に近く、秋葉氏とも楽しく議論させていただきながら編集した本です。

本書で述べているクォーク・グルーオン・プラズマ(Quark Gruon Plasma:QGP)の世界は通常の世界では考えられないくらいの超高温の世界で、本書でも述べられていますが、とっても熱いスープのようなどろどろとしたものです。それは宇宙のはじまりに何が起きていたかを見せてくれるものと期待されています。

まず、僕らの体も含めた身の周りを構成する物質は分子、原子、原子核、素粒子(クォーク)と構成する単位が段々と小さくなっていくのですが、なかなか想像ができない世界になっていきます。原子は原子核と電子からなり、原子核は陽子と中性子、陽子や中性子は3つの素粒子とそれらをつなげると考えられているグルーオンからなっていると考えらています。ここでグルーオンは「にかわ」という意味ですが、いわばクォーク同士をつなげるのりのようなイメージとしてとらえられています。さらに、クォークは単体では見ることができませんし、グルーオンも同じです。

現在では分子、原子の世界はようやく顕微鏡でみることができるようになりましたが、それより小さい世界は、なかなか見ることがまだ難しいのです。そこで顕微鏡の代わりに、加速器を使います。これが顕微鏡として宇宙の姿を見せてくれると多くの研究者が加速器実験、それから得られるデータを用いた理論解析を行っています。最近では、LHCのヒッグス粒子が有名になりました。

本書では、稀代の実験家でもある第1線の著者が、物理的な基礎から丁寧に紐解きながら、QGPの世界を紹介しています。現時点では、加速器以外ではその世界を再現することができません。宇宙と物質の最小単位である素粒子の世界を実験室で再現しようとする著者らの研究の一端をぜひ体感してください!

秋葉康之 著

須藤彰三・岡真 監修

2014年4月初版1刷発行

https://amzn.to/2HRVvGC

ジュンク堂書店さんと企画した秋葉氏のトークセッションもぜひ!

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